こんにちは、トリコナッジの蒲原です。気が付けば8月。2023年もどっぷり後半戦ですね。
パートナーになれているか、パートナーを探せているか。最近よく考えます。昨年フリーランスになる際、会社員を卒業すると、かなり不安定で孤独な生活が待っているのだと考えていました。不安定なのは誰でも当たり前として(会社員は安定しているという考え方はほぼ錯覚だと思っています)意外にも孤独に感じることは少なかったように思います。
パートナーと委託先の違い
ただ実際には、孤独ではなく独特の連帯を感じることもありました。会社の同僚の連帯感という存在はなくなりましたが、仲間はたくさんできました。会社組織に所属せず生きていく道を選んだことで、生意気ながら世の経営者のみなさんの気持ちが少しだけわかるようになった気がします。またライター業という同業者仲間の存在も大きかったです。
ここでは取引関係、受発注のある相手の一部をパートナーと呼ぶこととします。簡単に言えば、業務委託をおこなう相手で、委託先とか下請けなどと呼ばれる相手よりも親密な場合と定義できるかもしれません。
委託先は、一時的な関係、発注元の指示にしたがって言われた通りに成果物を納品する存在というように分けてみます。ドライで顔の見えない関係とも言えるでしょうか。
一方でパートナーは、より親密で長期的な付き合いをする存在です。委託先は、発注元のビジネスの成否にかかわらず自身の成果の報酬を求めるのに対して、パートナーはより利害が一致する存在とも言い換えられるでしょう。
私が今、孤独でないのは、パートナーの存在おかげもあったように思います。
パートナーと委託先のメリット・デメリット
簡単にまとめてみましょう。パートナーと委託先のメリット・デメリットは基本的に表裏の関係にあるかと思います。(筆者の主観です)
パートナー | 委託先 | |
---|---|---|
付き合いの長さ | 長期的 | 短期的 |
発注元との精神的な距離 | 近い | 遠い |
仕事のスタイル | 自身で考え提案する | 指示された内容を実行する |
拘束 | やや多い | 自由度が高い |
報酬 | 委託先より高め | パートナーより低め |
結果責任 | 成功も失敗も関与度合いが高い | 自由気まま、あまり関係ない |
代替性 | 容易に替えが効かない | 競合にすぐ代替される可能性 |
やりがい・コミット | より強く求められる | 報酬以外には感じづらい |
どちらにもメリット・デメリットがあり、優劣を語るつもりはありません。また相手先との関係や個性によって、上記の表の例外もあるでしょう。
それに相手先がパートナーを求めているのか、委託先が必要なのかというニーズによっても、こちらのアプローチはだいぶ変わるはずです。
また数少ない取引先のなかからパートナーを選ぶと依存リスクが高まることも予想されます。個人としての物理的なキャパシティの問題から、ひとりで何社もの「パートナー」になるのは無理があるかもしれません。
パートナーに選ばれるには
パートナーとして認められるには、まず信頼を積み重ねることが必要です。
ここぞというところで先回りして業務を行ったり、
先方の期待以上の原稿(成果物)を出したり、
こちらが背伸びしてスケジュールなどの無理を聞いたり、
人としての付き合いを意識してプライベートの情報も教えたり、
相手が頼みやすい状況をつくったり、
一時的に報酬を度外視して業務を巻き取ったり、
私はこんなことを意識してきました。
とはいえ、打算的にやったのではなく、取引先のビジョンに共鳴したことや自身の能力が発揮できそうだと感じたことなどがきっかけとなって、自らパートナーの座を取りに行った感覚があります。
そして関係が近くなったからといって適切な緊張感を失わないようにしなくてはなりません。
大きな事を成す組織の経営者の立場からすると、リスクテイクが少ない、初心者の戯言だと思われるでしょう。
ただ事業にはフェーズによって適正な働き方、振る舞い方があると思っています。「パートナー」などとエラそうに言っても、案件ベースの業務委託契約には変わらないことも承知しています。
パートナーと呼び合える方との出会いを求めて
もちろん今後、弊社もビジネス拡大とともにパートナーを求める側にまわっていきたいと思います。今も弊社がライティングなどをお願いしている個人事業主の方には、パートナーと呼べる方もいらっしゃいます。
もしこの記事をご覧いただいているなかで、「委託先よりもパートナー」という考え方に共鳴くださる方がいたら、ぜひお近づきになりたいと思っています。
価値観の近い方とのお仕事はうまくいく可能性が高いと思うからです。今後、少しでも多くの方に「パートナー」と呼んでいただけるように精進してまいります。